イワカガミの国へ
−鋸山から萱峠−

【年月日】

2011年5月24日
【同行者】 単独
【タイム】

駐車場(9:32)−花立峠(11:05)−鋸山(11:43-11:57)−花立峠(12:17)
−萱峠(13:19)−コハ清水(14:09)−駐車場(15:23)

【地形図】 半蔵金 ルート地図

 花立登山口の駐車場に着くと、平日にもかかわらず、すでにたくさんの自動車がとまっていた。
 ほとんどが長岡ナンバーで、この山が市民の憩いの山だということがうかがえた。

 駐車場の周囲には水仙なんかが咲いていて、自然度が高くない山なのかという気もしたが、歩き始めてみると、沢沿いの急斜面は雪崩が落ちたあとが歴然としていて、いかにも雪国の低山らしかった。

 木橋を渡ってスギ林に入ると、すぐにオオバキスミレがあらわれる。
 今年はじめて見るオオバキスミレだった。
 廃田あとのまわりには、ミズバショウの花がちょうど終わったところだった。

 スギ林を抜けると、多少傾斜が出てきて、足元のオオバキスミレが多くなる。
 花の終わったカタクリの葉があるので、上部の花に期待が持てる。
 キクザキイチゲも咲いていたが、こちらも終わりかけだった。

 大モミジという休憩ポイントがあったが、カエデ類の巨木があるわけではなかった。
 高度を上げるにつれて、カタクリの花殻が新鮮になってくる。

 ショウジョウバカマやスミレサイシンなども見られはじめ、開きかけたサンカヨウもあった。
 見返り清水という水場跡に水は出ていなかった。

 尾根の上に上がると、ところどころに展望の効く場所がある。
 西の方には米山や黒姫山が望まれ、遠くには妙高連山も見えていた。

 しばしの急登で花立峠。
 ここには地蔵の石仏があり、三叉路になっていた。

イワカガミ1(大きな写真)
イワカガミ2(大きな写真)

イワカガミ3(大きな写真)
オオバキスミレ(大きな写真)

 ここからは概ね平坦にな道になる。
 足元にはイワカガミが咲く、若いブナ林で、北側は切れ落ちた急斜面である。
 急崖にタムシバやムラサキヤシオも咲いていた。

 イワカガミの写真を撮りながら行くと、ちょっと変わった地蔵らしき石仏を見て、ひと登りで山頂。
 湯殿山大日坊と読める、古い石祠がおいてあり、四方に展望が開けていた。

鋸山から守門岳
鋸山から浅草岳

鋸山から角田山・弥彦山
萱峠から越後三山

鋸山から黒姫山と妙高連山
鋸山から米山

 真北に弥彦山と角田山。
 西には先ほど見た、米山と黒姫山と妙高連山。
 南には、守門岳が近く、浅草岳はのどかな印象だ。
 毛猛連山の右には、越後三山と巻機山が見えている。

 尾瀬や谷川も見えてはいるはずだが、遠くて判別しがたい。

 少し休んで、来た道を戻り、花立峠から直進して、萱峠をめざす。

仁王ブナ
ブナ林のトレイル(大きな写真)

 ここもイワカガミが多く、満開の群落がいい感じだ。
 ブナの若木が多い中、仁王ブナという表示のある奇木もあった。
 さほど大きな木ではないが、枝が曲がりくねっており、巨木になれば迫力があるだろうと思われた。

 登り下りは少なく、花とブナ林を愛でながら、のんびり歩いていける。
 純白のイカリソウやヤマエンゴサクも美しい。

ニリンソウ
イカリソウ(大きな写真)

 719メートルの三角点を過ぎると、牧場跡。
 ふたたび、南への展望が開けて、絶景が広がる。
 草原にワラビもいくらか、出ていた。

 もとの登山口へは、尾根の東を北に向かって下っていく。
 消え残った雪があるので、ここも花が賑やかだ。
 カタクリ・ショウジョウバカマ・サンカヨウ・ヤマエンゴサク・オオバキスミレなどがずっと咲いていた。

ヤマエンゴサク
ショウジョウバカマ(大きな写真)
残雪とカタクリ
サンカヨウ(大きな写真)

 小沢を二つ渡ると、展望のひらけた場所で、すっかり開いたコゴミの群落。
 もう少し早く来ることができればいいのだが、途中の雪が多いとここまで来るのは困難だろう。

 ちょっとした尾根を乗っこすと、竹之高地への分岐。
 さらに少しで、コハ清水。
 「コハ」とはなんだろう。

 緩やかに尾根を下って行くと、南蛮峠の分岐と三ノ峠山の分岐。
 ここからの道は、地形図にあるのとはかなり異なっており、スギ林の尾根を下っていく。

 シオデがゆらゆら揺れる中をどんどん下って行くと、花の終わったミズバショウを見て、小沢沿いの道になる。
 出作り畑わきの車道まではすぐだった。

 山歩きに意外と時間がかかったので、あまり道草はせず、栖吉の大ケヤキだけを見て帰途についた。