ヒメサユリ咲く守門岳
−保久礼口から二口へ−

【年月日】

2009年7月7日
【同行者】 単独
【タイム】

保久礼登山口(6:15)−保久礼小屋(6:45)−キビタキ清水(7:22-7:28)
−大岳(8:35)−二口分岐(9:18)−青雲(9:38-9:42)
−守門岳(10:00)−展望台(11:10-11:15)−護人清水(11:53)
−二口登山口(12:13)−保久礼登山口(12:35)

【地形図】 穴沢 守門岳 ルート地図

まだ濡れているエゾアジサイ
キビタキ鳴く

 二分の集落を過ぎて、人家がなくなっても、道路わきには棚田が続いていた。
 畦を刈ったばかりと見えて、とてもきれいになっていたが、田んぼに一本の雑草も生えていない様子はむしろ、不自然な感じを受けた。
 獣害よけのパリケードも電柵も設置してないので、果たしてどうなるのかと、他人事ながら案じられた。

 さすが平日とあって、広い駐車場に自動車はなし。
 どこかでオオルリがさえずり、林縁ではエゾアジサイがたくさん咲いている。

 コウクルミ沢沿いの道を少し行き、最終堰堤の先で急登すると、保久礼小屋。
 さっきの道路とおぼしき道が小屋前まで延びてきている。

 足元には、ツルアリドオシの小花が多いが、それ以外の花はない。
 ウグイス・ヤブサメ・オオルリなどを聞きながら、擬木の階段道を登っていく。

ウラジロヨウラク(大きな写真)
ヒメサユリ1(大きな写真)

ヒメサユリ2(大きな写真)
キスゲと守門岳(大きな写真)

 周囲は若ブナの林。
 根元がたわんで、立ち上がっているし、ユキツバキやユズリハ・ヤマウルシ・オオカメノキ・アオキなど雪国らしい低木が密生しているので、ヤブの中への立ち入りは困難。
 しかし登山道には、手がよく入っている。

 キビタキやクロジの声が聞こえるので、姿を追ってみると、キビタキを見つけることはできた。

 キビタキ清水で水を補給。
 すぐ上にキビタキ小屋があるのがやや気になるものの、冷たくて、いい水だった。

 キビタキ小屋を過ぎると傾斜が増し、ブナの大木が目立ってくる。
 エゾハルゼミの声がたいへん賑やかだ。
 傾斜がゆるむと不動平で、ここから先は灌木の中を登る。

 道ばたにゴゼンタチバナ・シライトソウ・アカモノ・ウラジロヨウラクなどの花が見えるようになると、天狗岩屋清水の分岐。
 こちらの水場には、行ってみなかった。

 その先で不動様の石仏を見るとまもなく、大岳のピーク。
 斜面のところどころに雪のついた、守門岳が立派だ。

ヒメシャガ(大きな写真)
アカモノ

 網張まではひと下りだが、花が多くて楽しめる。
 ヒメサユリ・ニッコウキスゲ・ミヤマクルマバナ・アカモノ・タニウツギなどが咲いていた。
 ヒメサユリとニッコウキスゲはちょうど、咲き始めらしかった。

 網張から少し登ると、二口への分岐。
 ヒメシャガ・コバイケイソウを見たが、あまり多くない。

 青雲への登りにかかると、モミジカラマツ・カラマツソウ・ミヤマママコナ・ツマトリソウ・ネバリノギランも出てくる。
 青雲は、池塘を配した草原のピーク。
 池塘のへりには、イワイチョウが咲いていた。

 大白川コース途中のピークも、このような感じなのだろうか。
 蒸し暑い日だったが、草原を渡るゆるい風が心地よかった。

トキソウ(大きな写真)
タニウツギ

 少し下って、残雪を見ながら、守門岳への登り。
 足元にトキソウを見るあたりは木道の上を歩く。
 振り返ると、青雲ピークがいい感じだ。

 赤トンボが乱舞する久しぶりの守門岳には、誰もおらず。
 快晴とまではいかないが、この季節にしてはよく晴れていた。

 新潟方面を見ると、粟ヶ岳の向こうに角田山と弥彦山が見える。
 そのむこうとなると曇っていて見えないのだが、快晴なら日本海も見えていそうだ。

 会越方面で目立つのは、浅草岳と御神楽岳。
 御神楽岳本峰は行ってないので、気になっている。

 南側では燧ヶ岳が目立つが、会津駒ヶ岳なども見えているはずだ。
 越後三山はまだずいぶん、雪をかぶっていた。

テングチョウ
ヒオドシチョウ

青雲を振り返る
若ブナの道(大きな写真)

 帰りは、来た道を戻るが、二口登山口から保久礼登山口までさほど遠くないので、二口へ下りることにした。
 最初はそれほどでもないが、途中からはずっとブナ林の急降下だ。
 テングチョウがすこぶる多いが、早春と違って、羽根を開いてとまる個体がいない。

 オカバミ沢の音が近くなってきたあたりに露岩があり、ちょっとした展望台になっていた。
 ここで少し休むと、傾斜は多少ゆるくなる。

 前方に小ピークが見えるあたりから尾根をはずれて左側へ下っていく。
 下りきったところが護人清水。
 キビタキ清水よりさらに細いが、しっかりと出ている、いい水場だった。

 この先はまた、若ブナの林。
 二次林だろうか、太さがほとんど揃った、整然たるブナ林だった。

 二口登山口から保久礼登山口までは20分ほどだったが、車道は暑くてかなわなかった。

 下山後、すぐ近くにある守門温泉青雲館で、ゆっくり汗を流して帰った。