殺風景なレーダードーム
−金北山周回−

【年月日】

2007年5月5日
【同行者】 Uさん
【タイム】

駐車スペース(6:28)−兵庫(6:36)−天目清水(7:41)
八丁坂(7:52)−金北山(8:40-8:45)−姫子岩(9:25)
じゅんさい池(10:00)−姫ノ沢登山口(10:50)−駐車スペース(11:10)

【地形図】 藍川、金北山、両津北部、両津 ルート地図

ナガハシスミレ
黒花エンレイソウ

 佐渡の山旅の3日目。
 前夜幕営したドンデン山荘では、強風が一晩中吹きまくっていた上、夜中に雨まで降り出したが、明け方にはあがってくれた。
 行動時間が自由になる幕営は、帰りの船のことを考えると、好都合だ。

 350号国道を西に走り、千種で右折後しばらくで自衛隊の道路との分岐。
 多くのハイカーは自衛隊道路から登るようだが、ここは正しく右側の谷に入る。
 堰堤を越えると舗装が切れ、悪路になったので、終点の少し手前に自動車を止める。

 シラネアオイ、ヒトリシズカ、スミレサイシン、エンレイソウ、ナガハシスミレ、ミヤマカタバミなどの花は、アオネバ谷と同様だ。
 クジャクシダも多い。

 雪国らしく、細い幹が横に寝た潅木林を登っていくと、ウグイスやシジュウカラに混じってツツドリやヤマガラの声も聞こえた。

 コゴミはすでに大きくなっているが、シオデやハリギリはちょうどいい感じ。
 登山道の中ほどまでは、カタクリやオオミスミソウなど早春の花はすべて終わっていた。

 天目清水の水場を過ぎると残雪が現われる。
 石仏がたくさん置かれたこのコースは、金北山のメインルートだと思うが、あまり踏まれている様子はなく、雪が多いと苦戦しそうだ。
 しかし特別寡雪の年だったおかげで、この日はまったく問題なかった。

カタクリはまだつぼみ
ショウジョウバカマが咲き始めた

 金剛山より標高が少し高い分、春の訪れも遅いらしく、上部ではカタクリも芽生えたばかり。
 ショウジョウバカマもつぼみが多かったが、満開になった固体もいくつかあった。

 金北山への最後の急登は長い。
 頂上のレーダードームがすぐ上に見えるのだが、雪の詰まった道がいつまでも続く。
 ササが多くなったところでようやく、ドンデンからの道に合流。
 山頂はそこから少し登ったところで、フキノトウがたくさん出ていた。

 ガスのため展望は皆無。
 2基のドームが轟音を立てている。
 ドームにはさまれた神社があるにはあるが、いかにも異様な光景だった。
 風をよけることのできそうな場所もないので、早々に下山と決めた。

 帰りは正面コースでなく、天狗岩や姫子岩のある南尾根を下る。
 こちらのほうが傾斜が緩やかで、雪もなく歩きやすかった。

濃ピンクのイワカガミ
白花イワカガミ(大きな写真)

 天狗岩を右に見るあたりは好展望だがこの日はだめ。
 もっとも山頂あたりよりはガスが薄く、両津の町をぼんやりと望むことができた。
 足元に生えていた緑色の株はヒメシャジンか。

八丁坂の石仏
曲がりくねったブナ

 天狗岩を過ぎると樹林帯でオオミスミソウが多い。
 おそらく今年見納めのオオミスミソウだ。

 再び展望が開けると姫子岩。
 正面コース途中に姫子岩への分岐があったので、ここから分岐に戻る手もあったが、時間もあったので、さらに南下して姫ノ沢登山口へ下るルートをとる。

曲がったブナの若い林
ニリンソウの道

 タムシバやオオカメノキが多くなるとブナの森。
 なかなかの大木も、時おり見られる。
 比較的若いブナには奇妙に曲がりくねっているのもあったが、どうしてあんなになるのだろう。

 「追分へ」という道標があったので、そちらに入った。
 途中に神木という札が立っていたが、それらしき木は見当たらなかったうえ、この道は廃道らしかったので、すぐに元に戻った。

 じゅんさい池の脇を通るあたりから周囲は初夏の風情となり、イワカガミが多くなる。
 ヤブサメの金属的なさえずりを聞きながらどんどん下ると沢に出て、まもなく姫ノ沢登山口に出た。

 姫ノ沢から兵庫まで約20分の車道歩きは退屈だったが、道路わきに咲いていたシラネアオイの写真を撮ることができた。