南八ヶ岳へ
− 渋ノ湯から編笠山 −
【年月日】 |
2014年8月3〜5日 |
【同行者】 |
全部で14人 |
【タイム】 |
8/3 渋ノ湯(11:28)−黒百合ヒュッテ(13:15 幕営)
8/4 黒百合ヒュッテ(4:32)−引き返し地点(5:14)−黒百合ヒュッテ(5:53)
−引き返し地点(6:17)−東天狗岳(6:40)−夏沢峠(7:29-7:37)
−硫黄岳(8:25-8:27)−横岳(9:33-9:45)−赤岳石室(11:11-11:20)
−赤岳(11:53-12:10)−キレット小屋(14:19 幕営)
8/5 キレット小屋(4:39)−旭岳(5:58-?:??)−権現小屋(6:28-6:40)−青年小屋(7:46-7:58)
−編笠山(8:22-?:??)−押手川(10:01-?:??)−観音平(11:22)
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【地形図】 |
八ヶ岳東部 八ヶ岳西部 小淵沢 ルート地図
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1日目
中央本線の車窓から見ると、八ヶ岳上部には雲がかかっており、天気はあまりよくなさそうだった。
渋ノ湯まで来ると、さすがにずいぶん涼しかった。
昨年は、冷山歩道をここまで下って、橋を渡った分岐を左に高見石へ登っていったのだが、今回は右の道を登って黒百合ヒュッテをめざす。
このあたりも苔むしたシラビソ帯がなかなかいい雰囲気を醸し出していた。
高見石コースからの道をあわせ、尾根に上がったところが唐沢鉱泉の分岐である。
四年ぶりの黒百合平に着いたのは13時過ぎだった。
黒百合平の風景は四年前とほとんど変わっておらず、草原に咲く花は増えていないと思われた。
咲いていたのは、ヨツバシオガマ・シナノオトギリ・エゾシオガマくらいだった。
ときおり霧雨が落ちる程度で、降ってはいなかったが、ガスが低く流れており、天気はよくなかった。
2日目
夜明け少し前に中山峠に登ると、東の空が白み始めており、樹林の切れたあたりで陽が昇ったが、あまり美しいご来光ではなかった。
スリバチ池コースとの合流点近くでパーティに問題が起きたため、いったん黒百合平に戻らねばならなくなった。
黒百合平までゆっくり戻ったのち、休まず東天狗へ登り返す。
先行したパーティに追いつくため、東天狗・根石岳を素通りして夏沢峠へダラダラ下るとさすがに疲れてしまい、小休止をとった。
夏沢峠から東は雲がなく、奥秩父や西上州がよく見えていた。
4年前はかなり辛かった硫黄岳の登りは、マイペースでゆっくり行ったら、さほど苦しくなく登ることができた。
道標のところで、パーティに似た人たちが休んでいるのが見えたので「ひょっとしたら」と思ったが、近づいてみればその通りだったので、この先もみんなと行動を続けることができると、安堵した。
硫黄岳から横岳へは、もう少し天気がよければ、高山植物も多く、楽しいところだが、この日は西風が強く、花を愛でている余裕はほとんどなかった。
とはいえ、硫黄岳石室周辺のコマクサの開花は、すばらしいとしか言えないほど、みごとだった。
じりじりと登って横岳主峰で小休止し、横岳核心部にさしかかる。
横岳は、見た目はすごいところだが、気をつけて行けばさほど危険なところでもない。
晴れていればかなりの高度感があるのだが、この日はガスのため、足元の絶壁が見えなかったので、むしろよかったかも知れない。
連続する鎖・ハシゴをこなせば赤岳石室で、すぐに赤岳への急登だが、ここでひと息入れた。
赤岳に来たのは、個人としてはこれで4度目だと思う。
個人山行では、2度来ていずれも晴れ。
パーティの山行では、2度来ていずれもガスだった。
今回は、雨でなかっただけありがたいと言わねばならない。
展望はないが、今回山行の最高点だから、少し長めの小休止をとった。
赤岳からの下りは、今回の行程でもっとも集中力を要する区間である。
東天狗・硫黄岳・赤岳を越えてきて、疲れはそうとうたまっている上、鎖・ハシゴの続く、浮き石の多い急降下だからだ。
今回はそれに、西からの冷たい強風が吹きつけており、ザックカバーがバタバタと音を立てるくらいだった。
この区間も、チシマギキョウやイブキジャコウソウを始め、高山植物が多かったが、なかなか花の写真を撮る余裕はなかった。
樹林帯に入るとすぐに小さな道標の立つ二叉路で、左をとるとこぎれいなキレット小屋に着いた。
キレット小屋の幕営地は、水場もさほど遠くなく、いいところだった。
この日もすぐに眠ってしまったが、西風は一晩中、吹きまくっていた。
3日目
朝になっても風は相変わらずだったが、東側のガスは晴れて、紅いスクリーントーンに甲武信岳が浮かんでいた。
流れるガスが一瞬切れると、越えてきた赤岳の険悪な稜線が顔を出した。
気を引き締めて、権現岳へ向かう。
穏やかな樹林帯を抜けるとツルネのピーク。
諏訪側もときおり晴れて、西岳が見え隠れする。
旭岳への登りは地形図で見るより長い感じである。
権現岳直下でザックを下ろし、最後の難関に備える。
じわじわ登っていくと、源治バシゴにさしかかる。
ここは、怖いというより、長さに疲れるハシゴだった。
ここを登りきって権現小屋で小休止。
緊張感がうまい具合にほぐれるが、この先まだ鎖場があるから、安心はできない。
青年小屋に降りてみればガスが切れて、日差しのもとで、編笠山や富士山などが望まれた。
この先、危険な個所はもうない。
編笠山への登りはそれなりだが、大したことはなく、大展望の山頂へ。
雲は多かったものの、南アルプス・富士山・金峰山などを望むことができた。
編笠山からの下りは最初、かなり急傾斜なため、時間がかかり、押手川で小休止。
標高を下げると空気がどんどん湿気を帯びて、蒸し暑さが増す。
傾斜が緩くなると全体のスピードが出て、雲海はスルーしてどんどん下った。
観音平に着くと、標高1600メートル近いにも関わらず、まったくもってひどい暑さで、秩父にかえってからが思いやられた。
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