東吾妻山から下山したのはまだお昼すぎだったので、久々にダブルヘッダー登山になった。
浄土平から野地温泉まで、自動車で20分程度。
時間が足りなければ土湯峠周回でもよかったのだが、鬼面山を往復する時間は十分だった。
新野地温泉わきの「ブナっこ道」から山に入る。
すぐにブナ林。
2年前にこのあたりで幕営したのだが、ネマガリタケが密生していて、ヤブには立ち入り不能。
ブナ林は、雪に覆われている方がずっと見栄えがする。
積雪時には存在しない小沢を何本か渡る。
傾斜が出てくる前にルートは左へ迂回し、反射板へまっすぐ登っていく。
従って、例年の雪洞地点は笹ヤブの中だ。
尾根にはしっかりした道がついており、すぐに土湯峠。
いつもは烈風に悩むところだが、この日はそよ風。
草原には、リンドウ・アキノキリンソウなどが咲く。
登りにかかると、ハクサンフウロ・ウメバチソウなども咲き残っていたが、やはり多いのはリンドウだった。
ナナカマドの実が色づいているが、昨日の台風でずいぶん落果してしまったようだ。
鬼面山に立てば、雲は多いが、東吾妻山の柔らかな稜線が望まれる。
磐梯山・箕輪以遠の安達太良は相変わらず、曇っていた。
2月にはエビの尻尾だらけだった山頂の道標も、ごく普通の佇まいだった。
帰りは土湯峠から野地温泉へ下った。
ここは27年前の春に登ってきた道だ。
駐車スペースまではすぐだった。
いくらか期待したブナきのこには全く会えなかったが、自動車で帰る途中に、エンジンをかけたままヤブを物色する人々もいたので、多少、何かは出ていたのだろう。
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