久しぶりに吾妻連峰の山に出かけた。
浄土平の駐車場に着いたのは6時半過ぎだったが、早くも歩き始めている登山者がいた。
鳥子平方面に向かったのはたぶん、自分一人だった。
車道から吾妻小屋への登山道に入ると、早くもエゾリンドウがたくさん咲いていて、美しい。
平坦な道をしばらくで、吾妻小屋前。
テント場をのぞいてみようかとちょっと思案したが、ここは鳥子平へ。
緩やかに下っていくのだが、足元はかなりぬかっていて、歩きにくい。
前日の台風で倒伏した木に破壊された橋を跳んで渡ろうとしたら、足が滑って涸れ沢に転落し、スネをしたたか打撲した。
途中で、シラビソらしき倒木に出たキクラゲ発見。
ちょうどいい状態だった。
鳥子平は、針葉樹林の中の小湿原で、ぬかるみルートにおける一服の清涼剤だった。
一時間ほど歩いたのち、道路を渡って、景場平へ向かう。
相変わらず、ぬかるみがひどい。
登山道は水たまり状態で、道の両わきはネマガリタケの密ヤブだから、足を置く場がない。
それでも、広い景場平に出てみれば、苦しいぬかるみ歩きが報われる。
湿原の草紅葉にはまだ早いが、クロマメノキはいくらか色づいており、エゾリンドウもまだ咲いていた。
池塘わきのお休み場で大休止。
摘んできたキクラゲをここでいくらか消費した。
東吾妻山への登りにかかれば泥濘は解消されるかと思いきや、そうでもなく、相変わらず水たまりとツルツル石ゴロの道である。
しばし直登したのちトラバースで、山頂西側の湿原に出る。
この景観を見せるためにこうしたルートを作ったと、とてもわかり易い。
いくらか疲れてもいたので、ここでまた小休止。
山頂へは、歩きやすい緩傾斜の道。
あまり登った実感はないが、ハイマツに覆われた、いい山頂だった。
眼下に谷地平。
その向こうは、吾妻連峰の主稜線で、兵子や谷地平上部の東大巓の山容はまだ記憶にあった。
磐梯山と安達太良連峰は曇りがちで、やや残念だった。
山頂では休まず、鎌沼方向へ下る。
またぬかるみに突入かと思いきや、こちらはよく整備されすぎていて、歩行に全く支障なかった。
谷地平・浄土平分岐になる十字路では、谷地平への道が魅力的だが、とても行けないので、直進。
鎌沼は、このあたりでは最も大きな沼で、沿岸を行くと、東吾妻山のゆったりした山容が映る。
酸ヶ平に出ると、ここは草紅葉がかなり進んでいて、避難小屋が見えた。
小屋まで行って、ティータイム。
小屋は改修されていたが、内部の雰囲気は以前と同じ感じだった。
1991年5月3日にここへ来たときには、夏道は全く判明せず、沢状のところを左岸伝いに歩いてきたと記憶する。
どういうわけか、おぼろげな記憶と今の地形がほぼ一致していた。
もうお昼前なのに、鎌沼まで登る人が多いらしく、たくさんのハイカーをやり過ごしながら浄土平へ向かった。
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