事前の予想天気図では、初日から二日目にかけて低気圧が列島を縦断するらしかった。
これだと現地は大荒れで、雨の可能性が高い。
道の駅つちゆでまわりを見回すと、曇り按配で積雪は例年よりやや少なめという感じだった。
ただ、出発前には雨が降り出し、次第に強い降りになってきた。
相模屋旅館から少し登ったブナの疎林まで行って、平坦地を見つけて設営に入る。
雪は非常に柔らかく、踏んでもなかなか固まってくれなかったが、テントでの設営は、雪洞掘りと比べれば嘘のようにラクだった。
気温がかなり高かったとはいえ、雪山だから、明け方は冷えると考え、ある物を全部着て寝たが、宵のうちはやはり、暑かった。
22時ごろトイレに出たときには、まだ降っていなかったが、夜半にはゴウゴウという山鳴りと、テントを叩く雨音が強くなり、荒れ模様となった。
相模屋旅館に着いたころから南からの強風が吹き出し、樹の枝が大きく揺れて山がうなり始めた。
早めに宿に入ることができてよかった。
大浴場の洗い場のお湯は出るようになっていたが、4つあるうちの一番左はやはりほとんど出ないままだった。
とはいえ、いつもながらいいお湯だった。
この日は、強風が木を揺らす音を聞きながら、ゆっくり眠ることができた。
最終日の朝、アスファルトの露出していた道路は白くなっており、風はかなりおとなしくなっていた。
天候は曇り。
気温は下がっていたので、積雪はずいぶん締まったと思われ、登行に問題はなさそうだった。
尾根まで上がると、木々の枝先に雪がついて、いつもながら美しい光景を見ることができた。
雪に埋もれたブナ林の風情も相変わらずだった。
気温もさほど低くなかったので、下りながらも暑いくらいで、雪を蹴散らしながら横向スキー場まで、あっという間だった。
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