沼原池から白笹山

【年月日】

2000年7月9日
【同行者】 2人
【タイム】

沼原駐車場(10:55)−大休止(タイムとらず)−白笹山(14:00)
−沼原駐車場(15:50)

【地形図】 那須岳

沼原湿原から白笹山

 大幅に出遅れたので、沼原駐車場に着いたときには、観光客の車がごった返しており、駐車場手前でひどい渋滞になっていた。
 それでも、台風一過の、貴重な梅雨の晴れ間。
 さっそく準備をして、登山道を歩き始めた。

 駐車場周辺には、だれが種をまいたものか、西洋野菊の大群生。
 このような自然破壊も、たちが悪い。
 この草を全部、排除するのは、不可能だろう。

 登山道にはいると、ニッコウキスゲがこちらを向いていてほっとするが、ここにも、日本のものでない、黄色い小花が、咲いていた。
 しかし、観光客のざわめきや煙草ケムリの悪臭から逃れることができて、ほっとする。

 最初の涸れ沢(取水されている)の少し上流で、枝沢を見つけ、そこで大休止。
 まだちっとも歩いていないが、周辺で水場は、ここだけだろう。
 登山道から少し離れているので、カッコウの声以外にはなにも聞こえない、静かで、美しい小天地だった。

 ゆっくり腹ごしらえをしてから、出発。
 ダケカンバとミズナラが主で、モミが混じる、いい森だ。
 下生えは、ネマガリタケ。
 樹林帯なので、派手な花は、ほとんどないが、人の姿をあまり見ない、静かな森は、わたしのもっとも好むところだ。
 根元から3本の幹を立てた、ミズナラの大木は、なかでもみごとだった。

 緩やかに、しばし登ると、シロヤシオの林。
 これがいっせいに開花したら、いったい、どうなるのだろう。
 これはまた、見に来なくてはなるまい。

 急傾斜な印象の山だが、登山道はジグザグにつけられているので、ちっとも疲れを感じない。
 アスナロやクロベが多くなると、深山の雰囲気。
 ただ、樹林越しに見える沼原駐車場周辺の車の列は、興ざめだ。

 足もとのマイヅルソウは、もう、実になっていて、トリアシショウマが、これから咲こうというところだった。
 ベニバナツクバネウツギが、今ごろ咲いていたのには、ちょっと驚き。
 オオカメノキも、青い実になっていた。

 庭木のようによい枝振りのツガの木に感嘆しつつ、ハクサンシャクナゲの花を久びさに見ると、ゴゼンタチバナが、登山道を飾っていた。
 ここで、二段咲きの、珍しいゴゼンタチバナを見た。

 中腹より下では、メボソムシクイしか聞かなかったが、つぼみをいっぱいつけたアカミノイヌツゲを見るころには、そこここでコマドリの、陽気なさえずりを聞いた。
 同行の友人にコマドリを教えると、コマドリにも、美声のや、だみ声のや、いろいろいるねと言われ、なるほどと思った。

 急な登りはほとんどないままに、白笹山の山頂。
 灌木が茂っているので、展望はないが、倒木によじ登ってみると、南月山の肩越しに、茶臼岳が噴煙を上げているのが見えた。
 以前、春山で行って以来の南月山にも、足を伸ばしたかったが、そうすると、帰りが忙しくなってしまう。
 だれもいない白笹山で、しばしくつろいで、のんびりと下山した。

 下山後、湿原を周遊してみた。
 ニッコウキスゲなど、花は美しかったが、観光客が多すぎて、雰囲気は良くなかった。