粟野町から不動岳へ

【年月日】

1998年3月18日
【同行者】 単独
【タイム】

山口集落(10:05)−不動岳(11:10)−塩沢峠(12:05)
−落合集落(12:40)

【地形図】 中粕尾

塩沢峠の地蔵様
 落合集落先、林道の広くなったところに自動車を止め、自転車で山口集落へ。

 谷倉山に来たときにはアイスバーンだった道路のわきでは、梅の花も盛りを過ぎたようすだ。

 山口からの林道をしばしこぎ登り、浄水場のわきに自転車をデポ。
 ここから歩き始めた。

 林道の周囲は、なかなかよく手の入ったスギ林。
 しかし、見るべきものは何もない。

 真新しい堰堤の先から、林道は廃道。
 道にスギ苗を植えてあるのだが、まったく手入れをした形跡がなく、モミジイチゴが生い茂って、歩行困難。
 林道終点までは、バラヤブをかいくぐりながら行かねばならなかった。

 林道が終わると、ヤブもなくなったので、ほっとして沢登り。
 道はないが、水量からして、尾根までの標高差200メートルほどと見た。

 傾斜も少ない上、ヤブこぎまったくなしで、尾根にあがれた。
 途中、芽吹きの始まったカタクリ群落を踏まないように、気を使った。

 尾根の上、植林のピークに小さな石祠。
 正面に「尾**山神」。
 左面に「願主 堀之内 政七」、右面に「文化十八 巳年二月」という彫り込みがあった。

 堀之内集落の政七氏は、何を願掛けしたのだろう。
 願いは、かなったのだろうか。

 そこから不動岳は、一投足。
 イワウチワを踏まないように鞍部に下り、急傾斜の斜面は、立木を頼りによじ登る。

 不動岳は、灌木に囲まれた、よい雰囲気のピークだった。
 風もなく、うららかな春の日だまりだ。
 灌木ごしに、大鳥屋山、岳ノ山、野峰などが望まれた。

 ひといき入れて、塩沢峠に向かった。
 途中、西に面した新しい植林地で、展望が広がる。

 大鳥屋山、岳ノ山はとても近い。
 その右には、このあいだ登ったばかりの大久保山。
 野峰から氷室山にかけてののびやかな尾根。

 北には高原山。尾出山は見えない。
 石裂山から横根山。日光白根、女峰山。
 すぐ東に高谷山と、知った山が多くて、目移りがして困った。

 まもなく、ひさびさの塩沢峠。
 首のないお地蔵様は、2年ぶり。
 時間が止まったように、立っておられた。

 2年前は、ここから尾出山に向かったのだが、今日は道を守る地蔵様に合掌して、峠道を落合集落へ下る。

 秋山側と同様、おそらくは、歩く人とてまれなこの道は、なかなかしっかり残っていた。
 つぼみを持ち上げたカタクリを愛でながら、自動車デポ地点までは、すぐだった。