ゴルフ場から登る古い山
−多高山−

【年月日】

1994年3月21日
【同行者】 単独
【タイム】

ゴルフ場入口(9:57)−不動様(10:37)−多高山(10:44)
−老越路峠(11:22)

【地形図】 足利北部、番場

老越路峠の不動様
 MTBを老越路峠にデポし、足利カントリークラブの入口から登りはじめた。
 休日とあってゴルフ場は大繁盛で、クラブハウス前の駐車場はぎっしり満員。
 ゴルフ場の従業員がけわしい目つきでこっちを見ているので、さりげなく無視。

 クラブハウスの北から谷沿いに道があったのでそこを入るとすぐにコナラ、クヌギの原木伐採地。
 足もとにはカタクリが芽吹きはじめていた。

 伐採地からはうす暗い植林地だが、登山道があるはずの左の尾根はずいぶん高く、ヤブこぎの予感。

 10分ほど急斜面をずり登ると、登山道。
 多高山の山頂は、早くも目の前だ。
 肩のようなところから少し下って登ると、不動様の石像。

 岩壁を背に背負っており、なかなか由緒がありそうな不動様だ。
 そこから岩壁の基部を左にトラバースし、新しい伐採地を左に見ながら小尾根を登っていくと、すぐに天明元年のこわれた灯篭と小祠。
 その上が多高山の頂上だった。

 雲がいくつか浮かんでいるがまずまず快晴模様で、樹間から赤雪山や赤城などが見えている。
 雑木があるため展望はそれほどよいとはいえないが、気持ちのよい陽だまりだ。
 ここにも天明元年の灯篭や、古い石造物の残骸があった。

 南西方向への小尾根を下ると、すぐに老越路峠。
 「下野国安蘇郡佐野飛駒邑中」と彫られた馬頭尊のような石仏や、庚申塔や、「千庚申」と彫られた石塔、「根本山神」という石塔などがある。

 歴史を感じさせるさまざまな石造物と不法に投棄されたゴミ、そしてゴルフ場という、なんだか象徴的な取り合せが多高山なのだった。