前夜まで、かなりの降りだったのだが、明け方には曇り案配となった。
とはいえ、ガスが低く垂れ込めており、鳩待峠では霧雨状態だろうと想像していたら、案の定その通りだった。
おおぜいの同行者と、ゆるゆると登り始めると、晴れはしなかったものの、雨は次第にやんだ。
樹林帯はつまらないので、どんどん歩いて、横田代で小休止した。
見晴らしの効かない樹林帯を黙々と登ってきた同行者たちは、湿原に出た瞬間に、「うぉぉぉぉ」と驚きの声をあげる。
一列に並んで歩きながら、湿原に出た瞬間、一人ひとりが「うぉぉぉぉ」と叫ぶので、静かな湿原に、絶叫がしばらく響いた。
ニッコウキスゲも咲いておらず、わずかにイワショウブが点々と咲いているだけだった。
アヤメ平あたりまで来るとずいぶん明るくなったが、展望は開けなかった。
富士見田代でまた小休止。
ほんの一瞬だが、青空がのぞいた。
再び樹林帯に入って長い下り。
ここはゆるい下りなのだが、湿った木道は非常に滑りやすく、恐ろしい。
怪我はしなかったが、2度ほど、まともに転倒してしまった。
長沢頭から急降下すると、ブナ・ミズナラ林でほっとする場所。
竜宮十字路に出ると、いつも混雑しているのだが、この日は、それほどでもなかった。
相変わらず夏の花はほとんど咲いておらず、サワギキョウやオゼミズギクが咲き始めており、尾瀬ヶ原は早くも初秋の風情だった。
ミズキボウシやナガボノアカワレモコウを見ながらしばし休んで、山ノ鼻へ向かう。
比較的すいている尾瀬ヶ原は快適だ。
至仏や燧は見えないが、ブナ林を背景にした拠水林が美しい。
山ノ鼻はやはり、混んでいた。
少し休んで、鳩待峠への登りにかかる。
ここも咲いていたのはソバナくらいで、オオレイジンソウは種子になっていた。
ミズナラやカラマツの大木を見ながら、滑る木道の上を行く。
よく考えると、比較的すいていたのはウィークデーだからだろう。
100人以上の小学生パーティの中にはまってしまったが、まずは順調に鳩待峠へ戻ることができた。
昨年は、鳩待山荘の風呂は入れなかったが、今年は浴室が新しくなっており、一日の汗を流すことができて助かった。
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