おおぜいで登山口を登り始めるのも、これで4回目だ。
天候もまずまず。
蒸し暑さもさほどでない。
最初はブナ林。
ちょうどこの時期に咲いていたこともあるが、オガラバナの花はもう、花殻になっていた。
足元には、ニガナやズダヤクシュ。
オオシラビソの森に入ると、オトギリソウやマイヅルソウ、ヤマブキショウマ、タケシマラン、マイヅルソウ、ツマトリソウなどが足元に咲く。
笠ヶ岳を前方に見るトラバース道には、ミヤマキンバイ。
小至仏から至仏山を望む
| タカネシオガマ
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オヤマ沢田代のワタスゲは、この日も美しかった。
尾根に出る手前のお花畑は、ちょうど見ごろで、アヤメ、ハクサンチドリ、ギボウシ、イワイチョウ、ウラジロヨウラク、シナノキンバイ、ミツバオウレン、タテヤマリンドウ、ミネウスユキソウ、モミジカラマツ、ヨツバシオガマ、ベニサラサドウダン、ハクサンシャクナゲ、ハクサンコザクラ、チングルマ、イワカガミ、ハクサンイチゲ、オゼソウなどが花盛りだった。
ここまでは多少蒸し暑かったが、小至仏手前の稜線に出ると、奥利根側から涼しい風が吹き上がってきた。
稜線では、ムラサキタカネアオヤギソウ、イブキジャコウソウ、タカネシオガマ、タカネバラ、コメツツジ、イワツメクサなどが満開だった。
ホソバヒナウスユキソウは盛りを過ぎていた。
至仏山の登りにかかると、ダイモンジソウやキバナノコマノツメも咲いていた。
山頂とキアゲハ
| オオシラビソ
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多少靄がかかってはいたが、よく晴れた山頂へ。
何年か前には腰を下ろす場所もなく混雑していたことがあったが、今回は平日のためそれほどの人出ではなかった。
次に次に登ってくる若者たちを写真に撮っていたら、先に山の鼻へ下山を始めていた子たちが登り返してきた。
確かに、山の鼻ルートは登り一方通行だというワープロで書いた紙が立ててあったのだが、期間が明示してなかったし、残雪が危険だという記述がしてあったので、残雪期の措置のことかとも受け取れる表示だった。
聞くとずいぶん下まで下ったのだが、登り返せと言われたのだそうだ。
とりあえず、登山者を追い返しているその人に事情を尋ねようと思い、どうして下れないのですかと聞いたところ、「それが山のルールです」という答えだった。
それでは答えになっていないので、何故そんなルールになっているのか重ねて聞くと、植生保護のためと危険防止のためということを言い、「もしものことがあったらあなたの責任だ」「人の上に立つ人間がそんなだからみんなおかしくなるんだ」「何かあったら、あなたの立場はどうなるんだかわかってますか」「理由については山の鼻の小屋に書いてあるので見に行けばよかろう」などとまくし立てられた。
最後に「わたしは東京電力の小屋から来たものだ」ととどめを刺して、その人はそろそろと下山していった。
若者たちは尾瀬ヶ原を見学できないことに残念そうだったが、言っても仕方がないのでやはり、そろそろと下山した。
鳩待峠からの往復だったので、散歩程度の山歩きだったが、たまっていた疲れが癒されたので、とてもよかった。
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