ミズバショウとリュウキンカ
- 6月の尾瀬 -

【年月日】

2007年6月3日
【同行者】 Uさん
【タイム】

鳩待峠(6:30)−山の鼻(7:10)−牛首(8:40)−
見晴(9:25-10:00)−三平下(12:55-13:05)−大清水(14:50)

【地形図】 至仏山、尾瀬ヶ原、燧ヶ岳、三平峠 ルート地図

ミズバショウ群落(大きな写真)
至仏山

 前日のうちに田植えが終わってほっとした。
 もし田植えが終わったら、尾瀬に行こうと思っていた。
 混雑してても多少雨が降っていても、気分のいいところで時間を過ごしたかった。

 戸倉の駐車場からワゴンタクシーで鳩待峠へ。
 マイカーを規制する上でも地元の仕事を作る上でも、このシステムはなかなかいいと思う。
 眠りたいけれど、車窓からムラサキヤシオやタムシバがちらちら見えるので、気になってしまう。

 鳩待峠の混雑ぶりは7月並みと感じたが、客層が微妙に異なっていて、旅行社が引率してきたパッケージツアー客の比率がやけに多い。
 とてもゆっくり歩く人がいるのはかまわないのだが、まわりを見ないでひたすら歩いているので、後ろに渋滞ができても気にならないらしい。

 サンカヨウが咲き始め、オオバキスミレの揺れる道はゆっくり歩きたいが、早く広いところに出ないと渋滞に閉じこめられてしまうので、あっという間に山の鼻まで下ってしまった。

リュウキンカ
ショウジョウバカマ(大きな写真)

 研究見本園に行ってみると、ミズバショウが大開花していた。
 予報はあまりよくなかったのだが、残雪をまとった至仏山が青空に映えてすばらしい。
 山の鼻までの混雑には閉口したが、山小屋を離れるとずいぶんのどかになる。

 尾瀬ヶ原のショウジョウバカマはすべてピンク色。
 枯れ草の中から、可憐な花茎をもたげていた。

 人の流れに乗って何となく原に出ると、あとは牛首方面へと流れて行くだけ。
 拠水林近く以外ではミズバショウもまばらで、ニッコウキスゲやアヤメなども芽生えたばかり。
 枯れ姿の尾瀬ヶ原もとても風情がよい。

 原を囲むブナ・ミズナラの原生林は鮮やかな新緑だ。
 新緑の美しさもきわだって素晴らしい。

 林内からは、ウグイス・メボソムシクイ・コルリ・エゾムシクイ・コマドリ・アカハラ・カッコウ・ホトトギス・ツツドリなどの鳴く声が聞こえた。

ヒメイチゲ
イワナシ(大きな写真)

 牛首を過ぎるとタテヤマリンドウやザゼンソウ、ヒメイチゲなども見られ、人の姿もまばらになった。
 見晴まで来ると腹が減ったので、大休止。

 山の鼻の雑踏に戻る気にはならなかったので、ここは直進して沼へ向かう樹林帯の道へ。
 ここからしばしは、普通の登山道。
 新緑に輝くブナやミズナラの下で、スミレサイシンなどが咲く。
 ズダヤクシュはまだつぼみの状態だ。

 見晴新道の分岐を過ぎるとブナにネズコが混じる。
 登り勾配になると、薄いピンクのミヤマカタバミの花びらが開き始め、透明感のあるイワナシの花も見られた。
 水場周辺では、ニリンソウやリュウキンカがさかんに咲く道も、沼に近づくと残雪に覆われたオオシラビソの森となる。

ブナ林の新緑(大きな写真)
ブナ萌える

 幸福感に包まれた小さな湿原をいくつか過ぎると、沼尻。
 枯れて乾いた草原でショウジョウバカマがたくさん首を持ち上げていた。

 尾瀬沼周回ルートに入ると再び、観光客が多くなる。
 標高の関係か、このあたりのミズバショウは、開花したばかりのものが多かった。

 大江川湿原でまた小休止。
 夏には一面のニッコウキスゲに彩られるここも、まだほとんど枯れ姿だった。

 三平峠へは、北面に面した登りだけに積雪がずいぶん多い。
 スニーカーや短靴で登ってくる人もいるが、とてもではないが苦労しただろう。

 峠からはひたすら階段を下るだけ。
 渓音が聞こえてくると、またブナ林に入っていく。

 ちょうど良い伸び具合のウドがでており、ラショウモンカズラが満開だった。
 2時半を回っても、尾瀬沼に行くつもりなのか、短靴で登ってくる人がいて、びっくりしてしまう。

 大清水に着くとまもなく、沼田行きのバスがやってきた。