静かな尾瀬
- アヤメ平 -

  【年月日】 2004年7月25日
  【同行者】 Uさん
  【タイム】 鳩待峠(8:20)−小田代(10:26)−竜宮(11:50)−山の鼻(13:00)−鳩待峠(14:00)
  【地形図】 至仏山、尾瀬ヶ原、三平峠

竜宮周辺の池塘

このあと雷雨になった
 先日の尾瀬行きはあまりにもにぎやかで、それはそれで楽しかったが、少々気疲れしたので、多少なりとも静かなところを歩こうと思い、アヤメ平に出かけた。
 登山靴は一昨日壊れてしまったので、今回はアプローチシューズで登ることにした。

 並木の駐車場に着いたのは8時前だったが、すでにほぼ満車状態だった。
 これを見ただけでも、たいへんな数のハイカーが入山していることが知れた。

 それでも鳩待通りに入ると人通りは絶え、静かな森の登高となった。

 夏も盛りとなり、ヌメリツバタケモドキ、イロガワリ、ツエタケ、クサハツなどが顔を出していた。

 コマドリやメボソムシクイ、ルリビタキなどのさえずりを聞きながら緩やかに登っていく。
 樹林帯の中なので花はほとんどなく、ツルリンドウやオトギリソウ、ギンリョウソウなどが咲いている程度。
 米粒のようなアリドウシランの花がいくつか見つかった。

 小1時間歩いて横田代。
 キンコウカ、コバノトンボソウ、キボウシ、ナガボノアカワレモコウ、イワショウブ、ネバリノギランモニッコウキスゲなどが咲く、のびやかな高層湿原だ。
 ここで小休止。

 濃いもやがかかっていて燧ヶ岳方面は見えないが、とても心地よい風が吹き渡っていた。
 山の上の草原を吹く風は、なぜこんなに気持ちいいのだろう。

 ひさびさに訪れたアヤメ平は、植生の復元がずいぶん進んでいて、以前は見るも無惨だった裸地はほとんど見えなかった。
 とはいえ、ここ2,3年のあいだに播種され、コモで覆われた植生復元地に生えているスゲ類はごくわずかで、湿原を元に戻すことの困難さが理解できた。

 緩やかに下って小田代の池。
 富士見小屋までは行かず、ここから見晴へ下る。

 ここにもヤマイグチ、ヒイロウラベニイロガワリ、ツエタケなどが出ていた。

 竜宮に出る手前は、すばらしいブナの原生林。
 巨木というほどの木は見あたらなかったが、立派なブナが林立していて、目の保養になった。

 竜宮から山の鼻へはのんびりと散策するつもりだったが、原に出たとたんに雨が降り出し、まもなく降雹を伴った激しい雷雨になったので、大急ぎで歩いた。
 もっとも近い発雷でわれわれから200メートル程度だったから、生きた心地がしなかった。

 山の鼻に着くと落雷の恐怖はなくなったが、雨はやむ気配がなかったので、そのまま鳩待峠へ戻った。
 ブナの立ち枯れに早くもブナハリタケが出ていた。