貝鳴山
国道から |
この日は、一時的な冬型の気圧配置となり、塩原から先は雨模様。
しかたがないので、山王トンネルの先で自動車をとめて、しばし睡眠。
眠気がすっかりとれたころには、雲はうすくなり、ときおり雲の切れ目から陽も射しはじめた。
大きな山に登れる時間ではなくなったので、そこからいちばん近い貝鳴山に登ることにした。
貝鳴山は、日留賀岳から会津方面を望んだとき、低山ながら、とてもすっきりした高まりをもつスタイルのよさが印象的だった山だ。
荻野登山口には、なんの道標もない。登山口にあるお宅の前で、ここから登るのだということを教えていただき、山に入った。
登山口のお宅のすぐ裏からいきなり急登。
人家の裏山らしく、踏みあとが乱れているが、アカマツとカラマツの植えられたあたりからは、しっかりした山道。
道の左側は下刈りをしたばかりで、マツタケ山として育てられているらしいから、ヤブへの立ち入りは遠慮した。
マツ林が終わると、ブナ、ミズナラの二次林。
しょっぱなから続く急登はどこまでも続く。
朽ちた倒木にブナハリタケがくっついているが、すでに食べられる状態ではなかった。
足元にイチヤクソウの葉がめだってくると、ときおりミズナラの大木が見られるようになり、東南からの尾根を合わせる。
クリタケやナラタケがあったが、ちょっと古い。
カキシメジやヒイロチャワンタケなど、食べられないキノコも見つかった。
いつしか雨はあがり、紅葉の中の登りとなる。
ふだんはあまり目に入らないカエデ類が、ここぞとばかりに自己主張をしている。
ウリハダカエデ、イタヤカエデ、ハウチワカエデあたりまでならなんとかわかるが、それ以外はみんなモミジとしかいいようがない。
ようやく傾斜がゆるんだと思うと三角点。
ここは最高点でないので、さらに先に進む。
ここまでは広い尾根だったが、三角点から先はやせ尾根。
ただし、傾斜はほとんどなし。
尾根上もミズナラやカエデの若木が生えている程度だが、ところどころに大きな切り株も残っている。
登りはじめてから一時間と少しで、貝鳴山最高点着。
展望はなし。灌木越しに家老岳が望まれるくらいだ。
この山も美しく紅葉している。
家老岳に登山道はあるのだろうか。
同じ田島町の駒止湿原近くに家老山という山もあるが、「カロウ」とはどのような意味なのだろう。
青空がのぞき、陽が射したかと思うと、西から雲が広がってき、みぞれまじりの雨と風。
今回はなぜか、ガスコンロに元気がなくて自家栽培ナメコ入りうどんがなかなか沸騰せず、とても寒い思いをした。
同行者が寒がるので、早々に下山にかかる。
歩きだすとまた陽が射してきたので、のんびりできた。
途中の倒木でムキタケを発見。
ヌメリスギタケや食べごろのナラタケもあった。
これは、登りで見つかればよかったのだが、ちょっと残念。
木の実では、ミヤマガマズミとナツハゼがあったので、少し摘んでいった。
そんなことをしていたので、下りの方がよけいに時間がかかってしまった。