登山口に着いたのは10時すぎ。
あたりではミンミンゼミがさかんに鳴いており、まるで夏山のようだ。
登山口から大沢に沿って草ヤブのひどい道。
ツリフネソウやイラクサのようなものが繁っており、メナモミ・ヌスビトハギなどの不愉快な種子がたくさん付着して感じが悪い。
30分ほどで雨乞岩の基部。
ここは巨大な一枚岩で水がかすかに流れている。
そこからはゴヨウマツの大木が生えている急な支稜をよじ登り、雨乞岩上部を横に見る。
このあたりにはクサハツのたぐいがたくさん出ていた。
そこからしばらくは展望のない中をトラバース。
岩場を渡るところの反対側に、猫啼岩という一枚岩。
少し下ったところが最後の水場だった。
この水場を渡るとシャクナゲ坂という道標があり、かなりの急登。
ブナの倒木に、キクラゲやヒラタケが少し出ていたが、ブナハリタケはまったくなかった。
稜線はブナの原生林。
三角点の周囲は木が伐られており、好展望。
北の方には磐梯山、吾妻連峰。その左にはまだ冠雪している飯豊連峰。
北西には御神楽岳。浅草岳の方は木が生えていて見えないが、南側は那須連峰、七ヶ岳、日光連山などが指呼できる。尾瀬、魚沼三山あたりは快晴なら見えているはず。
ビールを飲み、ヒラタケ、キクラゲ、スギヒラタケ、ツエタケなどを入れたうどんを食べる。
ブナハリタケはとれなかったがキノコうどんはじつにうまい。
こんなのを食べると寿命がのびる気がする。
こんな世の中で、寿命がのびてもしようがないかもしれないが、どうせなら長い間こういうのを食べたいという欲求がわく。
これが生きる力にもなると思う。
下山は細ヒドコース。
細ヒドの道標を見るあたりから急降下。
相変わらず、すばらしいブナ原生林だ。
ナラの小枝にヒラタケが少し出ていた。
下りきるとサワグルミなどのまじった沢沿いの道となり、登山口のすぐ手前ではじめの道と合流した。
その後翌朝の釣り場探し。
蒲生岳の裏側から県境にむかって突き上げている蒲生川に入ることにし、水量観測所のわきで幕営。
この川で、初めてヤマメというサカナが釣れた。