ようやくタマネギの植えつけが終わり、晩秋の農作業もひと息つけたので、阿武隈の低山に出かけた。
登山口は、いこいの里鬼ヶ城というレジャー施設。
いろんな施設が整えられているが、人影は多くなく、入浴施設の前に車が何台か、とまっていただけだった。
コテージの間を抜けていく道には、コナラやミズナラの落ち葉が、大量に積もっていた。
こんなのを見ると、山歩きはほどほどにして、落ち葉かきでもしたくなってしまう。
ヤマザクラの苗の植わったところを過ぎると登山道。
両脇は、ヒノキとアカマツの若木ばかりだ。
雑木林でないせいか、木の実なども乏しく、風情にはチト欠けた。
それでも、サルトリイバラの赤い実が、枯れ色の中に鮮やかだった。
道は、尾根に向かってまっすぐにつけられており、高度は上がっていくものの、低山歩きの味わいには、もの足りない。
尾根の上は、クマザサの下生えの中、ミズナラの二次林。
落ち葉を踏みながら歩く感触が、心地よい。
これぞ阿武隈の低山歩きだ。
ときおり、黒っぽく乾いてしまったクリタケが見つかって、もの淋しい。
きのこの季節も、完全に終わったようだ。
鬼ヶ城山山頂の標識のあるところは、かこう岩の露岩のある、暖かな日だまりだった。
南側の展望がよいが、この日は、霞がかかっていて、遠くは見えなかった。
あまりに早く着いたので、おなかもすいていなかったが、せっかくの日だまりなので、用意してきた米を炊いて、原木ナメコを入れた雑炊をすすった。
アルコールを車に忘れてきたのが、いかにも残念と思えるほど、よい天気だった。
帰りは、東ピークまわり。
ピーク手前の道ばたに三角点があったが、腰を下ろせる場所もなく、ほとんどの人は、通り過ぎてしまうだろう。
帰りも、尾根からまっすぐの、急な下り。
あっという間に、いこいの里に着いた。