晩秋に日だまりを求めて
−鬼ヶ城山−

 【年月日】  2000年11月25日
 【タイム】  タイムとらず
 【地形図】 小野新町

鬼ヶ城山概念図
 ようやくタマネギの植えつけが終わり、晩秋の農作業もひと息つけたので、阿武隈の低山に出かけた。

 登山口は、いこいの里鬼ヶ城というレジャー施設。
 いろんな施設が整えられているが、人影は多くなく、入浴施設の前に車が何台か、とまっていただけだった。

 コテージの間を抜けていく道には、コナラやミズナラの落ち葉が、大量に積もっていた。
 こんなのを見ると、山歩きはほどほどにして、落ち葉かきでもしたくなってしまう。

 ヤマザクラの苗の植わったところを過ぎると登山道。
 両脇は、ヒノキとアカマツの若木ばかりだ。
 雑木林でないせいか、木の実なども乏しく、風情にはチト欠けた。
 それでも、サルトリイバラの赤い実が、枯れ色の中に鮮やかだった。

 道は、尾根に向かってまっすぐにつけられており、高度は上がっていくものの、低山歩きの味わいには、もの足りない。

 尾根の上は、クマザサの下生えの中、ミズナラの二次林。
 落ち葉を踏みながら歩く感触が、心地よい。
 これぞ阿武隈の低山歩きだ。

 ときおり、黒っぽく乾いてしまったクリタケが見つかって、もの淋しい。
 きのこの季節も、完全に終わったようだ。

 鬼ヶ城山山頂の標識のあるところは、かこう岩の露岩のある、暖かな日だまりだった。
 南側の展望がよいが、この日は、霞がかかっていて、遠くは見えなかった。

 あまりに早く着いたので、おなかもすいていなかったが、せっかくの日だまりなので、用意してきた米を炊いて、原木ナメコを入れた雑炊をすすった。
 アルコールを車に忘れてきたのが、いかにも残念と思えるほど、よい天気だった。

 帰りは、東ピークまわり。
 ピーク手前の道ばたに三角点があったが、腰を下ろせる場所もなく、ほとんどの人は、通り過ぎてしまうだろう。

 帰りも、尾根からまっすぐの、急な下り。
 あっという間に、いこいの里に着いた。