初夏の檜山・花だより

 【年月日】  2000年5月27日
 【タイム】  駐車場(9:40)−檜山(11:30-13:30)−駐車場(15:00)
 【地形図】 東館

山頂下の石仏
 水郡線矢祭山駅の対岸の駐車場が、出発点。
 友情の森というレジャー施設の中を通って、登山道へと向かう。

 除草剤の撒かれた園内に、ムジナタケや名前のわからないきのこが出ていたが、あまり気持ちのよいものではない。

 登山道の始まる小ピークまでは、アカマツ林を伐採してヤマボウシやバラなどを植栽したようだ。
 伐採のために荒れて、かこう岩の露出した斜面を切って、階段道が造ってあり、のり面は、吹き付け処理をした上に、ネットで覆ってある。
 ネットが見えたところは、蛇の腹みたいで、気持ちが悪い。
 ワラビが群生しているが、二人とも、手を伸ばす気にもなれずに、黙って歩いた。

 階段道が尽きる小ピークのところには、アブラツツジの大木があって、みごとな花を咲かせていた。
 その先は、自然の雑木林。アカマツや雑木の葉が散り敷いた林床には、ギンリョウソウが、白い首をもたげていた。
 硬い気持ちが、ようやく、ほぐれてきた。

 尾根道には、コシアブラやタカノツメの木が多い。
 いずれも、食べるには、時機を逸してしまったが、ちょうど、花を咲かせていたタカノツメのことは、友人に教わるまで、知らなかった。
 アブラツツジは、そこここに、可憐な花をたくさん、ぶら下げていた。

アブラツツジ
 前方に林道が見えてくると、少しヤブっぽくなり、ウルシが多い。
 暑いが、長袖の裾を伸ばして、避けながらいった。

 しばしの道路歩きだが、細いウドや、ハクウンボク、コウゾの若い実、ギボウシなどが出ていて、見るものには、事欠かない。
 赤茶色の可愛いきのこが出ていたが、名前は、二人とも、わからなかった。

 道ばたのマンサクやアセビが、意味なく枯れているのが、とても気になった。
 アカマツ林なので、薬剤散布をしたのかとも、思った。

 檜山への道に入ると、涼しい雑木林。
 斜面は、秋にはきのこがたくさん出そうな感じ。
 ジグザグの急登しばしで、やさしいお顔の石仏がたたずむ、山頂への分岐。

 石仏には、寛政三年の銘があった。
 約200年前。
 ここも、長い生活の歴史を刻んだ山なのだ。

ハクウンボク
 分岐から少し登ったところが、二基の祠の建つ、展望所。
 三角点は、少し先にあったが、展望皆無の伐り開きなので、大休止は、もちろんここ。
 ムラサキシメジにいるウジ虫は、きのこが地中にあるときか、それとも、発生してからか。
 はたして、どの段階で侵入するのか、大声で議論しながら登りつくと、年輩のご夫婦が静かに休んでおられたので、まことに恥ずかしい思いをした。

 この日は、酒を持参し忘れたのが、残念。
 でも、カレーをメインに、ウドや野菜を食べながら、のんびりできた。
 横になっていると、ホトトギス、ヤマガラ、センダイムシクイなどの声が、遠くから聞こえた。

 帰りは、小ピークから南側の階段道を下ったが、登りと似たような感じだった。
 地面から出ていた名前のわからないきのこや、アカマツの切り株に出ていたヒトクチタケなど見ながら、ゆっくり下った。