石造物を眺めながら登る
−戸神山−

 【年月日】  2000年1月9日
 【パーティ】 単独
 【タイム】  登山口(13:30)−戸神山山頂(14:05)−登山口(14:30)
 【地形図】 浪江

十二支の石仏

これは子(ね)
 ダムの吐き出しより下流の高瀬川は、堂々たる流れで、渡渉もままならない感じ。
 渇水でこれだから、平水時は、さぞいい流れを見せるのだろう。
 ただ、水の色がややおかしいのが、気になった。

 登山口のすぐわきの神社で拝礼し、橋を渡ると、無住の人家。
 まだ住めそうな感じだが、周囲は荒れていた。

 すぐ先に朽ちた廃屋が、もう一軒。
 こちらはすでに崩壊していた。

 何となく、ものさびしい歩き出しだった。

 道の両わきは杉木立。
 太いので50〜60年生くらいか。
 林業のために植林されたというのではなく、参道の並木として植えられたものらしい。
 並木の外側はアカマツがほとんど。大木は少ない。
 モミもあるが、幼樹のみ。

 十二支をかたどった石仏を一つ一つ、のぞきながら登る。
 最初が亥。次が戌。
 干支は、上から順番になっていた。
 カコウ岩に彫られた石仏だが、風化が進んでおり、表情までは読みとれなかった。

 これらの石仏に、信仰上のどういう意味があるのか、興味がわいた。

 一本調子の登りなので、すぐに山頂。
 何のためのものか、鉄パイプ製のやぐらがひっくり返っていて、荒れた感じがする。
 これが鷲宮神社だろうか、神社らしくない形のやしろがあり、さびた鉄剣がころがっていた。
 一応、神様にご挨拶。

 東側は伐開されていて、太平洋が望まれた。
 南に見えるヤブ山は、十万山だろう。あまりぱっとしない山容だ。

 登山口のわきには、「天明海地天」と彫られた大きな石碑。
 なんだか、深い意味がありそうでよくわからない石造物の多い、信仰の山だった。