巨モミと巨マツと
−手倉山−

 【年月日】  2000年1月9日
 【パーティ】 単独
 【タイム】  西登山口(11:10)−MTB−南登山口(11:20)−神社(12:10)−
        三角点(12:30)−西登山口(13:10)
 【地形図】 古道

手倉山の巨モミ
 古道川ダムより上流の高瀬川はこぎれいで、毛バリを振れば気持ちのよさそうな渓相だが、ダム下はぼろぼろ。
 それなりの水量はあるのに、無惨なことだ。

 西登山口から自転車を乗り出したが、下りなので、南登山口まではすぐだった。
 長距離運転でこわばった体をほぐして、斜面にとりついた。

 はなからかなりの急登だが、アセビの下生えに、雑木とモミの樹林帯は、快感だ。
 「あと40分」という道標を見るあたりは、直径1メートルを超える巨モミが何本もあって、たいへんみごと。
 ここのすばらしいのは、巨木だけでなく、モミの若木もたくさんあって、世代交代が着実に行われているのが、一目瞭然なところだ。
 巨モミをなでたり、記念写真を撮ったりしながら行った。

 「あと20分」あたりまで来ると、今度は雑木の原生林。クヌギ、クリ、コナラ、ブナ、イヌブナ、モミなどがそろっていて、美しい。
 切り株が一つもないので、このあたりはここ100年内外は、伐られていないはずだ。

 尾根の上からは、どこにでもある、ふつうの植林帯。
 ひと登りで、神社のあるピークに着いた。

 神社のわきの露岩をよじ登ると、西側に展望が広がる。
 知った山は、鎌倉岳五十人山日山
 たしか、鎌倉岳からは、手倉山が見えていたはずだ。

 これぞ阿武隈の展望。
 阿武隈はいいなぁ、と思える景色だった。
 ここに首都機能など、持ってきてほしくない。

 下で宴会パーティがにぎやかなので、岩からおりて、少し北にある三角点に向かう。
 こちらは、雑木林の中の、小さな切り開き。
 いかにも低山らしい、味わいのあるピークだった。
 ここで小休止。

 下山は、神社のピークから西へ。
 登山道で宴会をしているパーティをよけるために、斜面を少し下り、道に戻った。

 こちらの尾根も、急な道だが、モミは少なく、アカマツが多い。
 なかには、とても印象的なマツの巨木も数本。
 手倉山では、いい木に出会えて、ほんとによかった。

 途中に、山林繁栄を祈願する木札の入った小さな石祠。
 いい木だけでなく、いい心映えにも出会えて、とてもうれしい。

 鳥居の立つ、西登山口までは、すぐだった。