ヤブをこぎ抜けて太平洋を望む
−五社壇から鹿狼山−

 【年月日】  1999年1月16日
 【パーティ】 2人
 【タイム】  伊手(8:55)−福田峠(9:40)−五社壇(10:25)−鹿狼山(12:15)−大沢峠(1:30)
 【地形図】 丸森

鹿狼山からの展望
 耕地整理のすんだ、広い水田地帯の伊手集落から車道を歩き始めた。
 家の数に比べてずいぶん土地が広い感じがする。
 土地も暮らしも、豊かなところなのだろうと想像された。

 車道が登りにかかったところに、馬頭観音と山神の石碑。
 山神の方は、文化年間の年号が読みとれた。
 ゴミを捨てるなという立て札がいくつもあるが、道路下はゴミでいっぱいだ。

 雑木の中にアカマツ、モミが点在。
 スギ、ヒノキの植林も多い。

 散歩していた人に「どごさ行ぐ?」と声をかけられた。
 鹿狼山までというと、「けっこう大変だ」といっていた。

 県境の福田峠から山道に入る。道標なし。
 すぐにブル道が縦横に走る新しい植林地となり、破線路の踏みあとは消滅。
 ブル道と踏みあとを拾いながら本日最初のピーク、五社壇へ。

 展望など全くないが、山頂の日だまりには、石祠がひとつと風化した石造物が4つ、置かれていた。
 祠には新しいサカキが供えられており、お祀りは続けられているようだ。

 小休止ののち、鈴宇峠へ向かって急降下。
 道はないが、植林地の境界になっているのでわかりやすい。
 新しい植林地では、タラノメが大群生していた。

 鈴宇峠は、両側から荒廃した林道が通じている。
 ここから鹿狼山への破線路は道形は残っているものの、ササや樹木が繁茂した廃道。
 ここが廃道でないつもりで来てしまったので、予定通り行った。
 倒木が少ないのでいくらか助かったが、相当難儀な道だった。

 鹿狼山への急登にかかる手前で、丸森町大内からの登山道に合流。
 やっとヤブから解放された。

 登りついた鹿狼山は、とてもいいピークだ。
 スギの大木があるが、展望はとてもよい。
 東側、眼下には蒼い太平洋。
 西側は、低山のかなたに冠雪した蔵王連峰。

 風は冷たいが、軽装のハイカーがひきもきらない。

 山頂の鹿狼山神社は木造のしっかりした社で、風化した神像が三体、わきを固めていた。
 一段下がったところには、小さな足尾神社。
 こちらには、たくさんのはさみが奉納されていた。

 少し下ったあずまやの横に、鹿狼山登頂636回(月詣53年)という黒沢正造氏(88歳)奉納の鳥居。
 一番見晴らしのよいところには、福島県知事佐藤エイサク氏の登頂記念碑。
 いろんなものがあるなあ。

 たっぷり大休止したあと、大沢峠に向かって下山。
 またも登山道からはずれて、東北電力の新地火力発電所から来る送電鉄塔へ。
 鉄塔巡視道なので、ヤブはなく、自転車をデポした大沢峠まではすぐだった。

 前日に、丸森町の青葉温泉星雲閣に泊まりました。一泊二食付きで8000円。清潔な浴槽は気持ちよかったです。