自動車を東和町側の夏無沼キャンプ場にデポし、自転車で川俣町側の不動坂登山口に向かった。
途中、笹ノ田から町境にかけての峠が登りだったので、ちょっときつかった。
荒町集落入り口に自転車を止め、山に向かってしばらくは車道歩き。
広くもない谷だが、小さな棚田がいくつも重なっている。
それが草だらけになって、荒れているのは、いかにももの悲しかった。
この谷では、タラノメの栽培をずいぶん手広くやっていた。
ここのタラノメは棘が少なく、多少は扱いやすそうに見えた。
しかし、これだけ大量のタラノメが一斉に芽を吹いたら、とても収穫しきれるものではあるまい。
かなりの部分は、芽の出る前に切って、加温して吹かせるやり方で早く出すのかな、などと想像した。
放置された桑の株がいくつかあったので、このタラ畑は、かつては桑畑だったことがうかがえた。
30分ほど歩いてようやく登山道入口。
ここから山道。
すぐに逆層の一枚岩が何枚か重なった猿すべりの滝だが、水はほとんど流れていない。
少し登ると乳コ岩で、垂れ下がった乳のような形の岩が二つ並んでいた。
ここからはおおむね雑木の尾根。ほとんどコナラだ。
やはりこういうところは気持ちがよい。
ときおり見かける、鮮やかな黄緑色の「木の実」。
これは、木の実でなく、ウスタビガの繭だ。
時間はたっぷりだが、食えるきのこはないので、かたいきのこの写真をいくつか撮影しながら、のんびり行った。
やや急なところを登りきると、口太山の山頂。
西から北にかけてが一望できるよいところだった。
西には、さっき登ったばかりの木幡山。
北には、霊山や女神山、花塚山など。
南側はアカマツの樹林で、展望なし。
ここは、木幡山を眺めながらの大休止とした。
よく晴れているのだが、ひっきりなしに風の花が舞う。
冬の阿武隈では、こういうことがよくあるように思う。
下山は、来た方とは逆に、針道へ。
ここまでコナラ林だったのが、ここからはアカマツ林に変わる。
途中、左手に牧場の一角がある。
ここからは、日山、麓山、鎌倉岳など、懐かしい山々がよく見えた。
日山あたりはすでに積雪があるようだった。
自動車デポ地点までは、20分もかからなかった。