蓬田新田登山口の林道は工事中だったので、少し先の鳥居の建っている十字路に自動車を停め、登りはじめた。
登りはじめは松の並木の参道。
キャンプ場を造成しているところを過ぎ、これから登りにかかるというところに沢がながれていて、木をえぐりぬいて樋にした立派な水場がしつらえてあった。
家からもってきたペットボトルの水を捨て、そこから給水。
こぼれた水がつららになってたれていた。
天気はあまりよくないが、薄日が時おりのぞいていた。
松並木が切れると、今度はやはり立派な杉並木になる。杉の両側は雑木林だが、京都の山とちがって雪がついているのでいかにも寒々としていた。
しばらく行ったところに直径 5メートルはあろう大欅が2本、ガマガエルが背のびしたようなかっこうで枝を張っていた。
上を見ると、濃灰色の雲が風とともに吹き飛んでいる。梢についている雪が風に飛ばされて粉雪のように舞いおりてきて首に降りかかった。
靴の裏がキシキシと鳴って、雪がくっついてくる。
雪にかくれて見えないが登山道にはかなり石があるらしく、用心しないとすべってしまう。
尾根の上に出ると西から風が吹き上げてきて、すごい音をたてるが、登りでほてった体にはむしろいい気分だ。
ここからはゆるやかな稜線をいく。尾根の東側では雪が梢についていて、雪の花が満開だ。
山頂に着くと、一画の小広いところに神社があった。
この神社には一升びんやビールやワンカップなどが供えてあり、太いしめなわが立派だった。
その神社の裏手を少し回ると、下から見えた電波塔がたっていた。
岩の上に登れば展望がよさそうだったが、雪がついていたし、雲が出ていて風が強いのでやめた。
そして神社のところまで戻って、神社の建物の裏でボトルに汲んできた水をわかしてコーヒータイムにした。
ここからは東の山並みや里が見えた。
典型的な冬型の気圧配置で東北地方は大雪だとくり返しニュースで流していたが、ここら辺も雪がちらついていた。