初めて登った阿武隈の山
−日山

 【年月日】  1994年12月24日
 【パーティ】 単独
 【タイム】  登山道入口(9:15)−牧場入口(9:40)−日山(10:23-10:55)−移分岐(11:23)
        −キャンプ場(11:42)−登山道入口(1:59)
 【地形図】 上移

麓山より日山を望む
 路面にいくらか雪が残っていたため、日山登山道入口という看板のあるところに自動車を停め、車道を登っていく。
 このあたりは丘陵地帯のなかに畑や牧場が点在しているといった風情だ。
 これが阿武隈の典型的な山村らしい。

 登山道が牧場から離れるところは水場になっており、「水速女大神 鳴雷神」と彫られた碑。
 碑の裏を見ると、建てられたのは昭和56年と新しいが、水場はたまり水で使用不能だった。

 左側は植林されたアカマツ林。
 このあたりはマツノザイセンチュウの被害が少ないのだろうか。あまりきれいな松林ではないが、手入れはされている。
 西にそびえる麓山が次第に低くなっていく。
 麓山はすっきりした形の独立峰だが、牧場開発と採石で満身創痍という感じだ。

 尾根に出ると傾斜はほとんどなくなり、10センチくらいの積雪を踏みながらブナ、ミズナラの美しい二次林を歩く。
 冬型気圧配置のため風が多少あるとはいえ、天気は申し分なく、快適な尾根歩きだった。

 日山の頂上は広く、山の由来書、ベンチやトイレが設置されており、鳥居や祠もある。
 由来書には坂上田村麻呂や源義家の東征の際のことが書かれていた。
 立派な山なのに、これでは植民地化された国のようだ。

 三つある祠にはそれぞれ覆屋があり、祭りの際には宴会場になるのだろうと思われた。
 風が強いので、ザックはベンチに置き、いちばん高いところにある祠の覆屋に登って食事にした。

 20万分の一の「福島」の地図を出して山座同定をするが、初めての山域のうえ、同じような低山がひしめきあっているため、麓山、常葉鎌倉岳、移ヶ岳など近くの山しかわからない。
 奥羽山脈方面は雪雲に隠され、ほとんど見えなかった。

 帰りは茂原方面への下山道を下る。
 こちらの方がトレースは薄いが、相変わらず傾斜のない快適な道だ。
 しばらく下るとカラマツの植林地にくる。ふりかえると日山の山頂が望まれる。
 風の具合で雪がたまっているのか、ここは20センチくらいの積雪だった。

 移への分岐を左に見送り、再び牧場のへりに出る。
 牛の踏みあとがウロコ状についており、そこに雪がたまり、山の斜面におもしろい模様を作り出している。
 ここまでくると日山キャンプ場はすぐだった。